元営業が30歳でWeb系自社開発企業に転職するまで
ごあいさつ
はじめまして。ユウダイと申します。
完全未経験の状態からプログラミングを勉強し始めて、30歳にして先日 Web 系自社開発企業から内定をいただくことができました。
今回は自分への振り返りの意味もかねて、内定を獲得するまでにとった具体的な行動や、自分が注意していたことなどを振り返ってみたいと思います。
最近はエンジニアの需要が高まっているので、私と同じように未経験からエンジニア転職を考えている方も多いと思います。そんな方々に少しでも参考になる記事となれば嬉しいです。
筆者の経歴について
最初に自分の経歴を簡単にご紹介します。
- 文系私立大学卒業
- 翻訳会社 営業(2013年4月〜)
- プログラミングスクール(2018年1月〜)
- マーケティングリサーチ会社 社内SE(2018年4月〜)
- Web系自社開発企業 エンジニア(2020年4月〜)
新卒で入社した翻訳会社を約5年で辞めてプログラミングスクールに入り、Ruby on Rails を使ったウェブアプリケーションの開発について学びました。
その後、プログラミングスクールに紹介してもらったリサーチ会社にエンジニアとして入社。もともとは社内システムの開発担当として入社したのですが、社内体制や方針が変わったこともあり、最終的に開発業務から離れてマネジメント寄りの業務を担当していました。
開発できないことにもどかしさを感じ、ガツガツ開発ができる会社を求めて転職を決意しました。
自社開発企業を志望する理由
私が受託ではなく自社開発企業を志望する理由は2つあります。
- 入社前から使う技術が明確になっている
- 当事者意識を持って取り組める
技術的な側面で言えば、使う技術が明確になっているところが受託会社と違います。自社開発の場合、同じサービスを開発し続けることになりますので使う技術がコロコロ変わることはありません。モダンな開発環境の会社に入社することができれば、しばらく同じ技術を使い続けることができるのでエンジニアとしての価値を上げ続けることが可能です。
もう1つは当事者意識を持って開発に取り組むことができるという点です。受託開発はクライアントが求める成果物が納品できれば売上が上がります。それに対して自社開発ではサービスの質が悪ければユーザーに使ってもらえませんし、結果として売上も上がりません。どうすればユーザーが喜ぶか、という視点を持ち続けながら開発に取り組むことになりますし、それが達成できたときに大きな達成感をもたらしてくれると思います。
受託開発にもメリットがあるのは理解していますが、個人的には上記のような理由で自社開発の会社を志望していました。
Web系自社開発企業へ転職するためにとった具体的な行動
それでは私が Web 系自社開発企業へ転職するときにとった具体的な行動について振り返ってみたいと思います。ざっくり言うと以下のような段取りで行動していました。
1. ポートフォリオ作成
エンジニアとして(特に自社開発の企業に)転職したいのであれば、自分の実力を示すためにポートフォリオの作成が必須です。私も、転職したいと思い何も考えずに転職エージェント2社にに駆け込んだことがありました。
エージェント「ポートフォリオ作ってから来てね^^」
ぼく「ぐぬぬ」
ここからポートフォリオ作成が始まりました。
どんなポートフォリオを作ったの?
複数人で共有できる家計簿アプリを約1.5ヶ月かけて作成しました。支出や収入の入力など、ほとんどの処理を非同期で行うことで、シンプルかつストレスレスに使えるサービスに仕上げました。サーバーサイドは Laravel、フロントエンドは React、インフラは AWS を使っています。
土日以外にも、平日の朝や会社の休憩時間なども利用してなんとか時間を作りながら開発を進めました。
家計簿アプリを作ろうを思ったキッカケ
ポートフォリオ作成における最初の壁は「何を作るか?」だと思います。急に「なんでもいいから開発して」と言われてもなかなかネタが思い浮かびませんよね。。そんなときは、自分自身や親しい人が困っていることから見つけ出すことをオススメします。私の場合、彼女と同棲しているなかで、家のお金をスプレッドシートで管理するのが煩雑だったことから「複数人が共有して使える家計簿アプリがあったら便利かも」と思ったのがきっかけです。
開発のキッカケは意外と重要
転職活動におけるポートフォリオで「何を作るか」は意外と重要だと感じました。理由は2つ。モチベーションの維持と面接対策です。
自分自身が課題だと感じていることが解決できると、単純に嬉しいですよね。開発が楽しくなってモチベーションの維持につながります。また、面接で「なぜこのサービスを作ろうと思ったの?」と聞かれることが多いので、そのときの回答に具体性が増します。ポートフォリオを「なんとなく」で作ってしまうと、後々苦しくなってしまう可能性がありますので、慎重に検討することをオススメします。
評価されるポートフォリオとは?
ちなみに、どんなポートフォリオが評価されるのかについては参考になる動画がありますのでご紹介します。ここで紹介されている技術を盛り込むことができれば理想的ですが、難しいと感じるなら無理せずにできるところから取り組むのがいいと思います。私はこの動画に出会う前にポートフォリオを作ったので、正直なところあまり網羅できていませんw
ポートフォリオ作成で一番大切なこと
ポートフォリオ作成で私が一番大切にしていたことは「とにかく作り上げること」です。開発していると細かい部分がいろいろと気になってしまいますが、動くのであればとにかく前に進むのが吉。"Done is better than perfect." を心に刻んでいました!
2. 職務経歴書の作成
ポートフォリオがある程度形になったら職務経歴書を作成しました。これまで自分が経験してきた業務を時系列で並べ、その中で自分が工夫したことやアピールしたいことなどを盛り込みます。私の場合 Google ドキュメントで作成し、公開できるようにしておきました。リンクを Wantedly、Green に貼り付ければ共有して利用できます。
ここで個人的に気をつけていたことは「読みやすさ」です。フォント、文字の大きさや色、行間などに気を使って、パッと見たときに「読みやすい」と思ってもらえるように工夫しました。例として、私の職務経歴書の一部を掲載します。ここでは表内における文字の位置を統一して、パッと見で理解できるように工夫しています。
職務経歴書は様々なテンプレートが公開されていますが、読みやすさの観点から個人的に納得のいくテンプレートがなかったため自分で作成しました。採用担当も時間がないなか資料に目をとおしているはずです。少しでも読みやすく、ストレスがない資料を作ることに気を使っていました。
3. 転職サイトへの登録
転職サイトは Wantedly と Green を利用し、最終的に Green でつながった会社さんから内定をいただきました。エンジニア転職なら、この2つのサイトで十分でしょう。もし志望度が高く、どうしても行きたい会社があれば直接応募するのも効果的かと思います。
未経験の場合どうしても書類の通過率は低くなってしまうので、気になる会社があればガンガン応募しました。
転職エージェントも複数利用しましたが、個人的にはあまりオススメできません。エージェント側は売上のためにとにかく転職させたいと思っているので、興味のない会社でもガンガン勧められます。自力でも十分転職活動できますので、わざわざエージェントを利用する意味はないかなと感じました。
※ あくまで個人的な意見ですので悪しからず...
4. 面接対策の実施
書類が通って面接まで進むことができたら、以下のような面接対策を行いました。
鉄板質問に対する回答を作る
面接で良く聞かれる質問をネットで調べ、それに対する回答を考えます。回答を作るときは実際に面接で話す台本を作るつもりで文字に書き出します。面接前は、書き出した回答をスラスラと言えるようになるまで実際に声に出して練習していました。
会社のことを調べる
面接先の会社に関する情報を収集します。事業内容、売上、従業員数、求めている人物像や使用技術など。これに加えて openwork などの口コミサイトや社長のインタビュー記事など、参考になりそうな情報をかたっぱしから集めます。
会社のことを詳しく知ることで面接時の話のネタにもなりますし、志望理由や逆質問を考えるとき必ず必要になります。
志望理由をまとめる
志望動機は個人的にかなり悩む部分でした。未経験という立場上どうしても会社に give できることが少なく、taker 的なスタンスの志望動機になってしまうからです。
「開発環境がモダンで成長できると思ったから」
このような志望理由は自分にとってメリットはあっても会社にとってメリットはありません。志望理由では自分の強みが会社で活きることを強調すると相手に刺さりやすいと思います。
例えば、求人票などで「エンジニアからも提案ができる環境」と書かれていたら「元営業としての提案力を活かせる」という点を志望動機に盛り込むこともありました。自分の強みと会社が求めている人物像で重なっている部分を見つけることが、相手に刺さる志望動機を作るコツかもしれません。
逆質問を準備する
逆質問は、相手がエンジニアなのか人事なのか社長なのかで全然内容が変わってくるので、相手の立場は事前に知っておく必要があります。人事に対して技術的な質問ばかりしても困らせてしまうかもしれませんよね。そのため面接では次に出てくる人の立場を確認するようにしていました。
私が逆質問をするうえで注意していたのは、質問する意図も伝えるという点です。例えば、私はよく以下のような質問をしていました。
「サーバーサイドとフロントエンドでエンジニアを分けていますか?」
これだけで聞いてしまうと Yes/No しか返ってきませんし、相手は「それで?」という気持ちになってしまいます。これに「サーバーサイドだけでなくフロントエンドにも関心があるのですが」という内容を加えることで、相手に「なるほど、フロントもやりたいのね」という意図が伝わります。「基本的には分業しているけど、手を挙げればチャレンジできるよ」という、本当に欲しかった回答が得られますし、コミュニケーションが円滑になり印象が良くなります。
5. 面接と面接の振返り
装備が揃ったところで、いざ面接へ!
とはいえ、いくら準備しても思いどおりにいかないのが面接です。意外な質問をされたり、深掘りされてうまく答えられないような場面も出てきます。そんなときは単純に「次回同じこと聞かれたら答えられるようにしよう」と思うようにしていました。答えられない質問があることに気づけただけでも面接に行った価値があります。
また、自分が面接で言ったことや聞いたことは終わったあとすぐにメモを取るようにしていました。当然ですが、面接での受け答えは次の面接官とも共有されています。次の面接で矛盾するようなことを言ってしまうと印象を悪くしてしまうこともあるので気をつけていました。
- うまく答えられなかった質問は答えられるようにする
- 面接でのやりとりはメモして次の面接でのネタにする
- 少しでも興味があればとにかく受けに行ってみる(数をこなす)
こんな感じで面接に臨んでいました。
まとめ
面接が思いどおりにいかずしんどい時期もありましたが、なんとか自分のやりたいことができる会社から内定をいただくことができました。転職はゴールではなくスタートなので、ここで気を緩めず引き続きスキルアップに磨きをかけていきます。
これから数年間は鍛錬の期間となります。5年後、10年後のことはあまり考えていないですが、そのときそのときで心の赴くまま、やりたいことを全力で楽しめる人生を歩んでいきたいと思っています。
勉強会や交流会にも積極的に参加したいなーと思っています。もしどこかでお会いすることがありましたら仲良くしてください。一緒に切磋琢磨していきましょう!